2007年12月19日水曜日

宋 文洲さんのメルマガから

ソフトブレーン社の社長の宋さんの文です。中国出身の宋さんの着眼点にはハットさせられることが少なくありません。  本当の努力、本当の真面目さ 宋 文洲 「努力は必ず報われる」。「額に汗する人は馬鹿を見ない」。これらの言葉を 誤解している人がかなり多いと思います。 先日、テレビ局の友人から「我が侭な部下」の話を聞きました。番組全体の編 集方針に合わない取材を却下したところ、その映像を取ってきた部下が「せっ かく頭を下げて偉い政治家に取材させてもらったのに・・・」と食い下がり、 方針に沿う追加取材を拒否したそうです。 そういえば、私が経営コンサルタントをやっていた頃、一番面倒なのは真面目 な部下が残業して作った分厚い提案書を却下することでした。「一所懸命作っ たのに・・・」との言葉に「一ヶ所だけに命を懸けなくていいから問題を解決 するものを作ってください」と言っていました。 「努力は必ず報われる」とそのまま信じきった人には努力という主観に評価の 基軸を置きがちです。信じ込んだ努力が報われない時、彼らは馬鹿にされた気 分になり他人や世間の否定に走ります。 皆さんも同じ経験をお持ちだと思いますが、いくら努力してもどうにもならな い時はあります。他人以上に努力しても他人以下の成果しか得られない時もあ ります。一年間の努力が一瞬にして消えてしまう時もあります。 それでも淡々と努力を続ける人は本当の努力家です。「努力は報われる時もあ れば報われない時もある」。この現実を前向きに受け入れる人こそ、信念の人 であり、リスクを取り、変化に柔軟になり、他人と社会に寛容になるのです。 広い視野に立ってみれば、リスクを取ることは脳みそに汗する行為であり、額 の汗よりもレベルの高い努力だと思います。大きな失敗をしても一週間の休暇 でやる気を取り戻せるならば、その一週間の休暇こそ最高の努力だと思います。 努力への狭い解釈は努力の幅を狭め、社会の活力を削るのです。 これと似ていますが、人間はあまり表面上の真面目さだけを追求すると、思い もよらない落とし穴が待っています。最近の犯罪を見ていると、思いもよらな い真面目な人によって思いもよらない些細な理由で引き起こされるケースが目 立ちます。 努力も真面目も言うまでもなく良いことですが、原理主義的にそれを信じ込む と複雑な世間や多様な人間に対して寛容さを失っていきます。クレーマーの急 増と魔女狩的な批判風潮は、ここに遠因があるのではと考えますが、読者の皆 さんのご意見はいかがでしょうか。 (終わり)

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